2022年のお盆休み、4日間を釣りに費やすことができることになった。もちろん前々から計画を立て、新潟・山形の鮎釣りをしようとしていたのだが…。そう8月3日から4日にかけての豪雨災害により計画は白紙になってしまった。急遽テンカラ釣行に切り替えたものの、東北の天気はどこもパッとしない。西に向かおうと思ったが私にとっては未知の釣り場が多く心もとない。そこで静岡の釣り仲間、大谷さんに相談すると、なんと4日間一緒に遊んでくれるとのこと!災い転じて福となす結果となった。イワナやヤマメ、アマゴなど、庄川水系をテンカラで釣りまくり!そして夜はキャンプ飯をおかずに飲み、語る、最高の4日間がスタートした。
初日は支流の太い流れに戸惑った!
魚影はしっかり!庄川水系初魚種はヤマメ
初日、曇り空の下で釣りを始めたのはちょっと大きめな支流。規模的には中渓流と言ったところだ。川へ出ると多少増水気味で大石の間をゴンゴンと流れる感じだ。こういった場所でもよく見ればヤマメが好きそうな流速、大石の前、ちょっとした開きや駆け上がりなどを丁寧に釣っているとぽつぽつと反応がでる。最初はツンッというチビヤマメっぽい乗らないあたりが多かったがようやくしっかりしたアタリで合わせると庄川水系での初釣果、ヤマメとのご対面ができた。
じっくりと釣りができる庄川水系支流
大谷さんは釣り慣れたポイントだけに丁寧にじっくりと攻めていた。ここで感じたのはフィールドによる釣りあがるスピードの違いだ。私がよく釣る秩父の渓流などではポイントの間隔が広い渓流も多い。だから足で稼ぐ釣りが強いられる。しかし、庄川水系の釣り場はどうやら短い距離でもポイントが多く、そのため短い区間でも十分釣果が得られるようだ。しかも川の右岸側と左岸側に分かれて二人で釣り上がれるほどのポイントの多さ。これは魅力的だ!初日ということもあり、二人とも数尾のヤマメを釣って野営場所に移動した。
初日のキャンプ飯はシュウマイ&ステーキ
飯盒の中蓋でシュウマイを蒸し上げる!
初日の夕方、野営場所を設営してから本流の一部区間を攻めたが不発。最近はどこへ行っても豪雨災害で川が変わり、釣れなくなったポイントも良くある話となってしまった。それでもキャンプ飯という楽しみがあるから気分はいい。大谷さんがさっと作ってくれたのはシュウマイ!飯盒の中蓋を利用して蒸すので手軽な料理だ。そしてある程度目を離していても焦げたりすることがないので酒を飲みながらでも安心の料理だ。ちなみに大谷さんが使用しているのはムースルームワークスというメーカーの飯盒だ。
キャンプ飯初心者の私はステーキを焼くだけ
私はというと、源流飯には自信がある。しかし、キャンプ飯となると勝手が違うというか、経験が浅いというか…なのでいつも焼くものばかりとなってしまいがちだ。とりあえず付け合わせのインゲンをさっとゆで、湿らせたキッチンペーパーで包んだ小さめのジャガイモをアルミホイルで包み、焚火の中へ放り込んで蒸し焼き。そして肉を焼く!やっぱりステーキは簡単でうまい!
2日目、しっかりキャンプ朝飯から庄川支流でスタート
庄川水系初イワナとご対面
2日目、この日も支流からスタートした。朝9時半くらいからだったか、雨の止んだタイミングで釣りができた。大岩ゴロゴロの素晴らしい渓相だがサイズを出すのに苦労した。何尾かフォームビートルで釣ったものの、小さいヤマメでスレ気味な感じだった。しばらく大谷さんが後ろから上がってくるのを待って釣りを再開。大谷さんは尺イワナをランディングでバラシてしまったと悔しそう。っていうか私の釣りでは出ない魚を出しているというこだ!どうやらこの大岩、大石の下に潜んでいるイワナに見えるよう毛ばりを沈める必要があるようだ。開きには出ていない、それがわかればこっちのもの、ほどなくして庄川水系のきれいなイワナとご対面となった。
大谷さんのキャスティングを見てるとHIT!
大谷さの釣りを下から拝見しているとヤマメがヒット!大谷さんのハリスは私より少し細め、0.6号だ。キャストした毛ばりは程よく沈み、ハリスはゼロテンションに近く、きれいに伸びた感じで流れる。このバランスの取れた感じ、流石だ!だからヤマメやイワナからのシグナルは早く感じとれる。私もこの釣り方をもっと練習しなければ!
2日目庄川イブニングで良型ヤマメ&アマゴ連発!
支流でイワナとご対面したのち、本流でイブニング狙いをしようと連れて行ってもらった場所はいかにもといったポイントだ。本流の餌釣りをする私はイブニングまで本流竿を振りたくなるような、垂涎の流れだ。逆に、テンカラでは手持ちの毛ばりで攻められるのは岸際だけというほど押しが強く水深がある。イブニングまでの間は岸際に絞って攻めることにした。
岸際を攻め始めてほどなく、8寸ほどのヤマメがヒット!やはり岸際に来ている魚も少しはいるようだ。本流らしく幅のある少し色白なヤマメ、これはイブニングに期待が持てる!って予感は的中することに!
ライズ一発!9寸ヤマメ
18時も過ぎ、雰囲気はいい感じになってきた。岸際中心に攻めていた場所に入りなおす。すると目の前の押しの強い流れの中でライズ!すかさず同じ筋に毛ばりを打つとラインがスッと引き込まれる!合わせるとゴンゴンゴンとローリングするヤマメ独特の引き!流れが強いだけに風来坊もいい具合に絞り込まれる!じっくりいなしてネットに収まったのは9寸のオスヤマメだった。
釣りは18時から?!良型3連発!
ちょっと離れた上流にいる大谷さんから電話が入る、「そろそろ上がろうか」と、はじめに入った場所でいいのが出ましたよと返す。電話を切って適当に流しているとすぐにヒット!また8寸越えのまあまあのヤマメ!少し写真を撮っていると大谷さんが合流。ぼちぼち上がりますかと歩きながら叩いているとまたヒット!今度は良型アマゴだった。もし写真も撮らずに釣りをしていたらどんだけ釣れるんだ?と庄川の実力を思い知らされた。
2日目のキャンプ飯はメキシカン&肉&魚!
チリコンカンナチョスで釣果もアップ?!
大谷さん曰く、「最近メキシカンを食うといい釣りができる」と作ってくれたのはチリコンカンナチョス、これ料理名あってるのか心配。これはビールのつまみに最高の料理でした!毎回手の込んだものを作ってくれる大谷さんに感謝です。
ヤマメの蒲焼は間違いない味
お返しに私が作ったのはヤマメの蒲焼。まあ源流ではよく作るおかずです。何せ3泊もするのでたまには魚も食べようということにしました。甘辛ダレに絡んだ淡白な身はご飯のおかずにも酒のつまみにもなります。
肉は味の滲みたスペアリブ
2日目に私が焼いたのはスペアリブ。やっぱり肉はうまいですね。漬け込んだものを持ち込んで、あとは焼くだけという簡単料理です。ちょっと酔いが回ってきても作れます。かなり酔いが回っても大谷さんが焼いてくれるという安心感もあります!
3日目もキャンプ朝飯からの庄川水系支流で竿を出しました!
3日目は細流でのイワナ釣り!
3日目、この日も朝は雨が降っていましたが、なぜか釣りをする時間には晴れ間もでる最高の条件でした。細い流れは適度に石が入りポイントを作っています。ちょっとした流心脇の深くなる場所にはイワナが着いていました。なれた大谷さんはすぐにイワナをヒットさせています。
最終日にドラマが、庄川水系の尺イワナ登場!
釣りの区間がほぼ終了というポイントでドラマが待っていました!ちょっと開きになるポイントで水深も周りに比べればある。ここはいい感じだと思ってアプローチも慎重に、キャストした毛ばりがポイントを通過するとラインが止まります。合わせた瞬間に魚の重みで瞬間的に大きさがわかりました。痩せたオスイワナは貫禄のある顔つき、庄川水系のテンカラ三昧、有終の美を飾ることが出来ました。
3日目のキャンプ飯はヘシコ?!がつまみ
前回の焚火&テンカラでへしこの話題がでたのをしっかり覚えていてくれた大谷さん。持ってきて焼いてくれました。ほぐしてほんの少し口に入れると「お~しょっぱい」、そこへ日本酒を一口、これはあいます!ちょっと匂いがあるものの、酒飲みにとっては良いつまみになります。もちろんご飯のお供にも!若狭地方や京都丹後半島付近の郷土料理ということですが、全国うまいものは色々ありますね。
イワナのナメロウ登場!
この日大谷さんが作ってくれたもう一品はイワナのナメロウ!こちらも味噌と薬味に絡まったイワナの身はあっさり上品な感じでばっちりでした!イワナは三枚におろし、皮を引いたあと、腹骨だけとればオッケーな魚なので簡単に作れます。もちろん鮮度のいいものでないとダメな料理です。
庄川水系てんから三昧まとめ
庄川水系の釣り!タックルについて
今回もメインのロッドは天龍の風来坊39TA、ズーム付きでしなやかに曲がり込むロッドです。仕舞寸法も短く便利なロッドです。合わせるラインはレベルラインの2.5号、今回は支流で4m、本流で5mといった長さです。それにフロロカーボンのハリス0.8号を1mです。
そして尺イワナを釣った竿、たまに振りたくなってしまう櫻井釣漁具さんの金剛せきれい33です。仕舞寸法は若干長めですが先調子の振りやすい竿です。この緑色が森の中を流れるような渓流にピッタリなのです。
庄川で使用した毛ばり!
ちょっと見ずらい画像ですみません。ゴールドのビーズヘッドに甲斐胴(甲斐犬の細かい毛)、変ハックルの黒花笠です。来シーズンには10colorsのラインナップにビーズヘッドを入れたいと思っていろいろ試してます!今シーズンは良型のヤマメ・イワナをこれで結構掛けてますよ!サイズは#12です。そしてひとつ前の画像でグリップに付いている毛ばりです。こちらは10colorsの定番「甲斐胴黒虎花笠#12」それほど深い水深のポイントがない限り、これ一本でも釣りになるほど私は信頼している毛ばりです。今回もばっちり活躍してくれました。
庄川と今回釣った庄川漁協管轄の範囲について
庄川の源頭は高山市南部、山中山(1631m)から山中峠へ続く尾根北側。北に流れだし、一色川の水を入れた流れは御母衣湖へと注ぐ。御母衣湖へは左岸から尾上郷川が入り、ダム下流で左岸から大白川が入る。さらに流れは鳩谷ダムへと注ぎ、次に椿原ダム、県境で成出ダムを通り左岸から境川を入れて赤尾ダム、小原ダム、祖山ダム、小牧ダム、合口ダムをへて富山湾へ注ぎ込む。今回釣りをしたのは庄川漁業協同組合の管轄する範囲です。漁協のHPはこちら、HP内に釣り場案内図DLがあるのでそちらがわかりやすいですよ。それにしても日釣りは1,000円とお手頃、しかも年券は6,000円で翌年発行日前日まで!これだけの釣り場を有して、これはほんとにお買い得ですね。ぜひ皆さんも訪れてみてはいかがですか!