釣り用防寒ウェアの選び方や着方を説明します

元釣具屋店長が釣り用防寒ウェアの選び方や着こなし方を説明します。今使用している釣り用防寒ウェアは自分の釣りに合っているのだろうか、これから釣り用防寒ウェアを買いたいけどどんな釣り用防寒ウェアを購入すればよいのか、またあると温かいアイテムなどぜひ参考にしてください。

動の釣りか静の釣りかで防寒ウェアを選ぶ

動の釣り用防寒ウェア

座ったまま釣りをするような釣りではなく、動きのある釣りを動の釣りとします。例えば管理釣り場のトラウトフィッシングやバスフィッシング、堤防のルアーフィッシングや誘い続けるような船釣りなど。動の釣りでは動きやすさと防寒性の両方が求められます。また朝夕は冷え込んでも日中は汗ばむような時もありますので脱いだり着たりが面倒でないウェアが良くなります。動きのある釣りではインナー、ミドラー、アウターと重ね、それ以上に重ねないようにして動きやすく、またアウターを着たり脱いだりするだけで調整できるようにすると便利です。またインナーも釣具メーカーからは薄手のものから極厚の物まで販売されていますので初冬から真冬、早春へとインナーの厚さを調整すると良いでしょう。最近釣具メーカーのアウターはダウン素材を使用してないものが主流となっています。中綿の量を考慮して購入すると良いでしょう。

静の釣り用防寒ウェア

動の釣りとは違い、動きの少ない釣りを静の釣りとします。ワカサギ釣りやヘラブナ釣り、タナゴ釣りや置き竿で待ち時間の長いような船釣り、同じく置き竿で待つ堤防釣りなども静の釣りとします。体の動きが少ない分厳しい寒さとの闘いです。静の釣りではまずインナーの性能が良いものを着用するのがおすすめです。生地は厚めなものがおすすめです。生地が厚手、極厚なものは釣具店で販売されています。ミドラーもダウン素材がおすすめです。保温性の高いダウンは動きの少ない静の釣りでは効果的です。アウターは中綿の量が多いものを選ぶと良いでしょう。近年ダウン素材の上下防水防寒スーツの販売がほとんどなくなってしまいました。ダウンジャケットはアウトドアメーカーの物を選ぶと良いでしょう。

船釣り用の防寒ウェア

汚れやすい船釣り用防寒ウェア

船釣りでは魚種や釣法が非常に多くなります。その中でも汚れやすい釣りがコマセを使用する釣りです。そしてイカ釣りも墨による汚れに気を付けなければなりません。こうした釣り物は汚れの付きにくい素材を使用した防寒着がおすすめです。表地にPVC素材やPU素材を使用したものがおすすめです。ダイワやシマノといった大手メーカーもこれらの素材を使用したものを船釣りにおすすめしています。これらの素材の商品はアイテム数や在庫数が少ないため、早い時期に購入することをおすすめします。

汚れが少ない船釣り用防寒ウェア

コマセを使用しない、またイカ釣りのように墨を気にしないような船釣りもあります。汚れの少ない船釣りでは表地の素材は気にしなくて良いでしょう。デザインや機能性を重視しても良いと思います。PU素材やPVC素材に絞ってしまうと発売されているアイテム数も少なくなり、そのためサイズやデザインが限定されます。汚れない船釣りでは気に入ったものをおしゃれに期待ですよね。

磯堤防の防寒ウェア

磯釣り用防寒ウェア

磯釣りではライフジャケットの着用が絶対です。ライフジャケットも自動膨張タイプではなく浮力材の入ったベストタイプとなります。ダイワやシマノではライフジャケットと一体化できる防水防寒スーツが発売されています。一体化することで安全面も機能面でも向上しますのでおすすめです。

堤防釣り用防寒ウェア

堤防釣りでは磯釣り用のものでも構いません。ただ堤防釣りですから、もう少しライトな感覚でスタイリッシュに釣りがしたいという方も多いと思います。堤防においてはベーシックな防水防寒スーツで良いと思います。カレイの投げ釣りなど置き竿で待つ時間が長く動きの少ない釣りでは厚手なインナーやダウンのミドラーと中綿の多いアウターのタイプの組み合わせがおすすめです。シーバスルアーやショアジギング、エギングなど動き続けるような釣りでは厚手なものを重ねすぎると動きにくくなります。動きを重視し、インナーの厚さやアウターの綿量などを考慮して購入すると良いでしょう。

防寒アイテムをうまく利用しよう

温かくする防寒アイテム

防寒のアイテムでかなり快適さに違いがでます。体の上から足に向かっていきますと、防寒キャップ、耳あて、フェイスガード、ネックウォーマー、防寒グローブ、ボディーウォーマー(腹巻)、防寒ソックス、ネップレンソックス、つま先ウォーマー、防寒ブーツです。これらのアイテムは体の末端や動脈に近い部分を保温するアイテムとなります。これらを活用することで快適さに違いがでます。

使い捨てカイロをうまく利用しよう

使い捨てカイロは多くの釣り人に使われています。カイロをうまく使用することで体温が奪われることを防いでくれますし、ポケットに入れておくと指などがこわばった時などにも温めてくれます。貼るタイプのカイロはどこに貼るのかも重要です。おすすめな場所は背中、お腹、足首です。太い血管が近い場所やツボがある場所がおすすめです。カイロは低温やけどに注意して使用してください。低温やけどにならないために直接肌に貼らない、貼った場所を上から圧迫しないようにしましょう。また熱いと感じたら剥がしましょう。

釣り用防寒ウェアの着こなし方と注意点

釣り用防寒ウェアの着ぶくれに要注意

寒いからと言って何枚も重ね着している方もいらっしゃいますが、逆効果になってしまうことが多いため注意が必要です。中綿、ダウンなど空気を溜めることで保温します。この空気層を重ね着によってつぶしてしまうと保温性能が低下します。過度な重ね着は寒くなりまた動きにくくなります。暑い時すぐに脱いだり、また着たりと体温調整も大変になりますのでおすすめできません。

インナーウェアは重要アイテム

インナーウェアーは釣りにとって重要なアイテムとなります。インナーを性能の良いものにするとその上に着るミドラーやアウターの性能を補ってくれます。光電子繊維や吸湿発熱素材を使用したものがおすすめです。ダイワやシマノ、ハヤブサなどいろいろな釣具メーカーからは薄手な物から極厚手のものまで幅広く発売されています。アパレルメーカーからは発売されていないような厚さのものまでありますので季節や釣りのジャンルに合わせて選ぶとよいでしょう。

釣り用防寒ウェアのまとめ

釣りと言っても様々なシチュエーション、ジャンルがあります。きちんと釣り用防寒ウェアを選ぶことで釣果に影響することもあります。何よりジャンルによっては命に係わることでもあります。温かく快適なスタイルで安全に釣りを楽しみましょう。