堤防サビキ釣りの疑問を解決

元釣具屋の店長です。ここではサビキ釣りのちょっと気になる疑問に対しての説明をします。こうしたら釣れるちょっとしたコツもご説明します。20年以上店頭で何百回とご説明していたことですので、ぜひ役立たせてください。イワシやアジやサバで仕掛けが鈴なりになるサビキ釣りは楽しいですよ。

サビキ釣りってどんな釣り

サビキ釣りは堤防釣りの中でも代表的な釣り方です。サビキ仕掛けは針に魚皮やゴム素材、化学繊維などを付けエサに見せかけた擬餌針が幹糸と呼ばれる縦糸から枝状に数本結ばれている仕掛けです。この仕掛けを海中に垂らし、コマセカゴからコマセを出し、上下に竿を動かしてエサのごとく誘います。この誘いの動作を「さびく」と言い、さびく仕掛けだからサビキ仕掛けと呼びます。群れがたくさんいる時はコマセと呼ばれるエサをまかなくても掛かることもありますが、基本的に撒きエサを海中で撒き、寄ってきた魚を釣るのが一般的です。

サビキ釣りはどんな魚がつれるのか

堤防サビキ釣りのメインターゲットとなるのはイワシやアジやサバなどの回遊魚です。堤防の周りにいる色々な小魚も掛かりますが、美味しく食べられ、たくさん釣れるメジャーな魚がイワシやアジやサバということになります。

サビキ釣りにエサは必要?

よくある質問でサビキ仕掛けのすべてのハリにエサを付けるのかと聞かれます。もちろんハリは擬餌針なのでエサを付けることはしません。しかし、魚を寄せるためにコマセと呼ばれる巻きエサを用意します。コマセとなるのは一般的にはアミエビという約1㎝ほどの小さなエビです。オキアミと呼ばれる約3~5㎝のエビの形をしたプランクトンと間違う方が多いので気を付けましょう。ちなみに常温で保存が効くチューブに入ったタイプと冷凍のブロック状のものがありますがおすすめは後者です。

どんなサビキ仕掛けをどれくらい用意するのか

どんなサビキ仕掛けを用意すればよいか

サビキ仕掛けと言ってもメーカーから発売されているアイテム数は百種類以上となるでしょう。いろいろあって迷ってしまいますがとにかく種類はあった方が良いというのが本音です。しかしそんなに初めからたくさんそろえるのは大変ですよね、まずは3種類くらいに絞りましょう、外せない種類はピンクスキン、次にハゲ皮もしくは白スキン、そしてケイムラもしくは夜光です。とりあえず簡単に言うと赤白と夜光・発光系です。もし行く予定の釣り場がはっきりしていて、どんな魚がどんな仕掛けで釣れているか情報がある時は種類を絞り、その分枚数を多く持っていくと良いでしょう。

どれくらいサビキ仕掛けを持っていけばよいか

釣り場の情報が無いときは現場に行ってみないとわかりません。ですので、前の見出しでご説明した赤、白、夜光・発光系をハリサイズ2号~3号程度の小サイズを各2枚ずつ、5号~6号程度の中サイズを各2枚ずつくらいは用意したいです。一人12枚計算になってしまいますが3枚セットで安価なサビキ仕掛けなどもありますので是非用意してください。ちなみに大きいサイズの仕掛けにマッチする30㎝を超えるようなアジやサバが足元で釣れることめったにありません。大きいサイズは情報がある時だけで良いと思います。12枚は予算的に大変という方はハリサイズを中間の4号に絞ってください。魚のサイズに対しての対応の幅は縮まりますがある程度は対応できると思います。使用する枚数は目安として一人一日2~3枚くらい、混みあっている釣り場や魚が大きい時ほどトラブルも増えますので仕掛けの消耗も激しくなります。混みあってる時などはさらに数枚持っていると安心感がでてきます。

サビキ仕掛けに付けるカゴはどんなカゴ

サビキ仕掛けで必要なのがコマセを入れるカゴです。仕掛けの上に付けるタイプと下に付けるタイプがあります。この違いもともとは関東か関西かの違いがあります。関西圏では下カゴが主流、関東圏では上カゴが主流となっています。ではどのように使い分ければよいのかが問題です。まずは水深です、浅い釣り場や表層などのイワシを狙う際は下カゴが便利です。下カゴの方がコマセを入れやすく仕掛けも扱いやすので手返しも早くなります。水深が10m以上あるような深い釣り場では上カゴが便利です、オモリを重くして早く沈められ、早い潮の流れにもまっすぐ沈んでいくよう対応できます。重い下カゴも販売されていますが、軽いものから重いものまで揃えるのも大変です。また関東圏では重い下カゴはほとんど売られていません。次に魚の大きさです、釣れるサイズが20㎝を超えるようなサイズになると上カゴがおすすめです。魚の大きさが大きくなるとそれだけ引きも強くなり、軽い下カゴでは魚が暴れて仕掛けが絡まりやすくなります。上カゴではオモリを重くして仕掛けを絡まりにくくできます。どちらのカゴでなければならないという決まりはありませんが、隣の方と仕掛けが絡まるトラブルが無いようにしたいですね。

どこに釣りに行けばよい

海釣り公園はおすすめ

堤防で魚が釣りたいのですけどどこに行けばよいかわからないという方は結構多いです。そんな時におすすめなのは海釣り公園です。なぜ海釣り公園をおすすめするかというと、それは入門者にやさしい釣り場だからです。情報は日々発信されている釣り場も多くありますし、釣具店でも情報を把握しています。次に水道やトイレがあることです。特に女性の方やお子様連れの場合は近くにトイレがあると非常に助かりますね。次は売店がある場所も多い事です。足りなくなってしまったエサや仕掛けを購入できたり、軽食を食べれる場所などもあります。釣り場が整備されていることも重要な点です。足場がしっかりしていて手すりや柵などもあります。海釣り公園で何度か釣りをして、慣れたころに堤防へ足を運ぶのが良いでしょう。

情報のある堤防を探そう

海釣り公園は情報がしっかりしているのでおすすめと書きました。堤防でも情報が出ることがあります。それは現場型の釣具店です。現場型の釣具店ではお店の近くの釣り場に人が集まれば商売に繋がります。現場型の釣具店のブログなどから情報を集めるのも釣果を伸ばすコツです。また釣り場に行く前にお店に立ち寄り情報を直接聞くのもよいでしょう。お店側としてもそれで少しでも仕掛けやエサなどを買ってもらえれば利益に繋がります。

釣果を伸ばすコツは何か

釣れたらサビキ仕掛けを地面に這わせない

いよいよ釣り場で釣りをスタート!早速魚がサビキ仕掛けに鈴なり状態となりました。そんな時に絶対してはいけないことは竿を地面に寝かせてしまい、魚が掛かっている仕掛けも地面に這わせてしまうことです。竿は釣り用の竿立てや手すりなどに立てかけ傷付けないようにします。また踏まれて折れてしまうこともなくなります。仕掛けを這わせてしまうと魚が跳ねて暴れ、仕掛けは一瞬でグチャグチャとなってしまいます。何枚仕掛けを持っていても足りなくなってしまいます。魚をぶらさげた状態で外すようにしましょう。

コマセを絶やさない

群れで回遊してくるアジやイワシやサバたちはどんどん移動してしまいます。コマセはその群れを足止めする役割を持っています。なので自分の前にコマセを絶やさないことが重要です、なるべく手返しを早くしてコマセをまき続けましょう。またイワシやサバなどは表層を回遊することが多いので少しずつコマセを直接撒いて群れを足止めしても構いません。

ちいさな群れはサビキ仕掛けをすぐに上げちゃダメ

魚が掛かるとすぐに仕掛けをあげたくなるものです。しかしサビキ仕掛けではすぐに上げてしまうと釣果は伸びません。魚が何匹か掛かったら上げるようにしましょう。また群れで回遊するアジやイワシやサバです、数人で釣りをしている時などはだれか一人でも仕掛けが海の中に入っている状態にしましょう。掛かった魚が海の中にいることで群れを足止めしたり周りにいる魚たちを集める役割を果たします。ずっと釣れ続くような大きな群れでは気にしなくてもよいですが、小さな群れが回遊している時などは効果が出ます。

使った仕掛けはどうすればよいか

私は「サビキ釣りを終えたあと、仕掛ってまた使えますか?」といった質問をよく受けました。そんな時は翌日とかでない限りは使えないですよと答えていました。その理由は単純に劣化するからです。特に一番肝心なハリは錆びてしまいます。糸も劣化しますし、サルカンなどの接続金具も錆びや塩で腐食します。翌日などではサビキ仕掛けが巻き取りやすい丸形の仕掛け巻きなどもありますので利用するのも良いでしょう。翌日また使うとしても真水を掛けて塩水を落としておきましょう。やすいサビキ仕掛けでは朝出したものが夕方には錆が出始めているものもあります。

釣りが終わったあとにすること

楽しく釣りを終えたら足元や手すりなどに付いたコマセはきれいに洗い流しましょう。もちろんごみは残さないように気を付けましょう。近年釣り人のごみやマナーの問題で立ち入り禁止になってしまう堤防が増えました。釣り場をなくさないためにもマナーはきちんと守りサビキ釣りを楽しみましょう。サビキ釣りで釣れるイワシやアジ、サバはとってもおいしい魚たちです、たくさん釣っておいしく食べてください。