三依テンカラ交流会へ参加

昨年から設置された日本初のテンカラ専用C&R区間で行われた三依テンカラ交流会へ参加してきました。4月23~24日の2日間開催でしたが、私は2日目の参加です。まだ桜が咲き誇る中、きれいなヤマメやイワナたちがたくさん釣れ盛況に終わったイベントでした。おじかきぬ漁協三依支部の皆様、シマノインストラクター・テンカラ大王こと石垣尚男氏はじめ多くの皆様の協力があってこそのテンカラ専用C&R区間ですね。

三依地区

三依ってどんなところ?

三依は栃木県日光市北部、福島県南会津との県境にいちする人口約300人ほどの集落です。私も初めて訪れました。集落は標高600~700mほど、まだ桜が咲いているので私が住む埼玉の平地より約1か月ほど春が遅い感じです。冬場は1m~2mほど雪が積もるようですし、近くのスーパーは車で約40分と生活するには大変な場所のようです。その分自然は豊で、そこを流れる渓流は透明な澄んだ水でした。

観光・お土産

テンカラ専用C&R区間の近くには男鹿の湯(キャンプ場)や三依渓流釣り場などがあり、やはり自然を活かした観光がメインです。イベントでは参加賞的なお土産をいただきました。ちょっと調べてみると三依ではお土産の定番品らしいです。ピリ辛で山菜のほろ苦さが加わった味噌は何にでも合いそう。もらった時のお話ではラーメンなんかに入れてもおいしいそうです。ほかにもワサビなどがお土産として人気のようでした。

日本初テンカラ専用C&R区間

日本初テンカラ専用C&R区間の魅力

テンカラ専用区を設けるには大変な努力が必要だったそうです。「テンカラで釣り人が集まるのか」「釣り人が減って漁協の収入が減るのでは」などいろいろな意見があったようです。しかし昨年OPENして以来、テンカラ好きな方が訪れ、釣券の売り上げも伸び、観光収益にも貢献できたそうです。これも石垣先生やおじかきぬ漁協三依支部の皆さんのおかげですね!

見通沢の渓相

渓相は穏やかの一言が似合う流れです。灌木のトンネルの中を平坦な流れが続いていました。平坦といっても適度な変化がありテンカラ入門にも最高の釣り場だと思います。河原は少なく両岸の木がせまりますが、竿を立てて振れる場所も多くそれほど気になりませんでした。おすすめの長さ的には3.3mくらいです。

講習会

まずはテンカラ大王の説明から

開会式の後は釣りをされる方は散って行き、講習に参加される方が集まりました。まずはテンカラ大王の説明です。いつも通り聞いていてわかりやすく楽しい説明です。今回はある程度竿を振ったことがある方が集まり、それに合わせたレベルの説明でした。簡単に竿の振り方を説明された後、ポイントや毛鉤の選択、釣り上がりのテンポなど実釣に合わせた講習でした。石垣先生のこうした講習の案内は先生のHP、テンカラ大王のテンカラで大往生からチェックできますよ。

実釣サポート

テンカラ大王の説明の後は実釣です。私も同じ埼玉県から参加の方をサポートさせてもらいました。昨年管理釣り場からスタートされたそうでもう竿も振れていました。お聞きすると今回は魚がどんな場所にいるのか、ポイントを教えてもらいたくて参加されたそうです。私もそのご希望に添えるように実際の流れから説明させてもらいました。そして無事きれいなイワナもキャッチ&リリースしてもらい。笑顔で終了することができました。

きれいなイワナをキャッチ&リリース

サイトフィッシングでイワナ

昼食を済ませたあと少しの時間竿を振りました。曲流した低い段差の落ち込み脇、ちょっと食い気のあるイワナを見つけました。さすがC&R区間だけに見える魚はたくさんいます。しかし、たくさんの人が入って釣りをした後だけにすべての魚が毛ばり反応するわけではありません。流れてくるものに興味がありそうな動きをするイワナの動きは、定位していても餌を探して少し落ち着きなく見えます。この日テンカラ大王からのアドバイスにもありましたが、通常のサイズ#12程度だとイワナやヤマメに飽きられてしまっている。エサではないと認識されているサイズとなってしまっている可能性があります。そんな時はサイズを大きくしたり、逆に小さくしたりすると有効な場合があります。そこで#14を選択して狙いました。

10colors甲斐胴黒虎花笠#14 バーブレス仕様(未発売)

餌を探して落ち着きのないイワナの20㎝ほど脇に毛ばりを打ち込みます。ゆっくり沈む毛ばりにスッと近づき反転したところでアワセを入れます。釣れたのは放流とは思えないほどきれいなイワナでした。ちなみに毛鉤は10colorsの甲斐胴黒虎花笠#14、返し(バーブ)はルーターで削っています。この日何人もの人に攻められていたイワナですが一発で食ってきました。

午後は宮本先生のお話

イワナやヤマメを残すには

午後は沿岸・内水面研究センターの宮本幸太先生による講座でした。小学生にもされている川の管理のしくみや魚の増やしかたを知るお話や、ルールを守り魚がたくさんいるきれいな川をつくろうというお話を聞くことができました。それから突っ込んだ意見などが参加者の方からありました。魚に対しての思いは人それぞれで、いろいろな意見が聞けて参考になりました。テンカラだけでなくエサ釣りもルアーも、また渓流以外の分野も釣る者にとっては何とも言いづらいお言葉もありました。とにかくルールに則って楽しく釣りましょう!

また訪れたい見通沢でした

日本初のテンカラ専用C&R区間はベテランから初心者まで楽しめる釣り場でした。釣れるイワナやヤマメも、とても良いコンディションでした。ヒレも色も天然にかなり近い、きれいな個体でした。このような釣り場が各地にできるといいですね。エサ釣り・ルアー・フライ・テンカラと渓流釣りといっても色々な釣り方があります。こうした漁協管轄の一つの沢だけでもテンカラ専用C&Rとするだけで様々な効果があることがわかりました。テンカラという釣りだけでも人が呼べることが実証されました。この魚たちが産卵し、その稚魚たちが大きくなり本流に入ればC&R区間以外の魚を増やすことにもつながります。おじかきぬ漁協三依支部の方々には感謝とそしてこれからも頑張ってほしいですね。ぜひ一度足を運んでみてください。