渓流釣りの仕掛けについて説明します。

渓流釣りの仕掛けについて釣具屋の元店長が説明します。沢の提灯釣りから本流釣りまで、渓流釣りの仕掛けをご説明します。ぜひあなたの渓流釣りスタイルに合った仕掛けでヤマメやイワナを釣り上げてください。

渓流釣り仕掛けの基本

渓流釣り仕掛けの基本構造

渓流釣りの基本的な仕掛けは、上から順番に天上糸→水中糸→ハリス→ハリ+目印+ガン玉(オモリ)になります。水中糸とハリスを分けずに同じ一本の糸で作る場合は天上糸から下を通し仕掛けと呼びます、また天上糸を使用せず水中糸とハリスを分けない時も通し仕掛けと言います。

渓流釣り仕掛けの長さの決め方

渓流釣りの仕掛けの長さを決めるのはポイント次第です。細かく言えばポイントごとに仕掛けの長さを変えるのが最良ということになりますが、それでは手間と時間がかかりすぎてしまいます。その渓流釣り場を釣る時に最適な長さは遡行しながら釣りやすい平均的な長さになります。基本的に渓流釣りで使いやすい長さは手尻より30㎝~40㎝ほど短めです。釣法によってやベテランの方などでは長くする場合もあります。これはその釣り場と釣り方、それに合った竿などがあってのことです。基本的に扱いやすい長さは短めです。

渓流釣り仕掛けのハリの決め方

ハリは入門者の方でしたら基本的なハリの名前を覚えましょう「ヤマメ鈎」、「イワナ鈎」、「渓流鈎」の3種類です。これらのハリは色々なところで糸付きのもの(ハリスが結ばれている物)が販売されています。この3種類から始めて徐々に色々な自分の釣りに合ったハリを見つけてください。ハリの大きさに関しては小さ目と中間のサイズを2種類から始めましょう。ヤマメ鈎であれば4号と6号の組み合わせといった具合です。これはエサの種類に対応できる大きさで4号は川虫などの小型のエサ、6号はミミズやブドウ虫やイクラなどに適した多きというように使用します。はじめから全サイズをそろえても後々無駄になってしまうはずです。慣れてきたら自分の好みのハリを使用してください。またバラ鈎を結べるようになるとさらに良いでしょう。

渓流釣り仕掛けのガン玉(オモリ)の決め方

オモリ選びは非常に重要です。渓流釣りではガン玉という真ん中に割れ目が入っていてその割れ目にハリスを挟んで潰し固定するオモリを使用します。揃えておきたいサイズは3号~3Bです。これは細仕掛けから太目な仕掛け、浅い瀬から深い淵まで幅広く調整できるサイズです。オモリのサイズは軽い方から3→2→1→B→2B→3Bの順です。少々わかりにくいサイズ表記ですがこれは散弾銃の弾のサイズに由来しているためです。それぞれの部屋に蓋のあるプラスチックケースなどに入れて持ち歩くと便利です。基本的にはそのポイントを自然に流せる重さを使用します。つまりオモリは頻繁に付け替えます。付け替える際はガン玉ハズシなどの小物がおすすめです。初心者の方は根掛りなどのトラブルも多いので予備は多めに持ち歩きましょう。

渓流釣り仕掛けの目印について

渓流釣り仕掛けで仕掛けを自然に流したり、イワナやヤマメのあたりをとったりするのに重要なのが目印です。見印にも色々な種類がありますが、おすすめはウィリータイプになります。オーナーではプロ目印と言う名前で販売されていて、太さも選べますのでおすすめです。またワンタッチタイプの糸を切れ目に挟んで付けるタイプなどもあります、確かに付けやすく初心者には優しいのですが、ズレやすく風に弱いという点で劣ります。目印は水面から少し上に一か所、そしてさらに上に20㎝~30㎝間隔をあけて2か所目を、深いポイントや長い竿を使用したりする場合はさらに同間隔で3か所目を付けます。ウィリータイプを付ける時はきつく付けすぎると糸を痛めますし、緩すぎてもズレてしまいます。仕掛けを振り込んだりあわせてもズレない程度に付けましょう。

小渓流や沢の仕掛け

沢向けの提灯仕掛け

沢に向いている渓流仕掛けは1m~1.5mと短くする提灯仕掛けを多用します。沢では木の枝や灌木が流れの上に被さっている場所が多くなります。そうした場合は長い仕掛けを振れません。ですから全長を短くして対応するのです。竿を仕掛けの長さに縮めてエサを付けたら、仕掛けが暴れて糸が絡まないようにそっと竿を伸ばしてポイントに運びます。竿を伸ばしたり縮めたりを頻繁に行うので竿の塗装は剥げやすく寿命も縮まる釣り方です。また竿を伸ばす順番、縮める順番を間違えると中落と呼ばれる現象を起こし竿を破損させますので注意が必要です

小渓流向けの半提灯仕掛け

小渓流の渓流仕掛けは半提灯仕掛けが便利です。長さは竿の半分前後の長さになります。6.3ⅿの竿であれば2m~3mくらいの長さです。細かい長さの調節はその渓相を見てから判断すると良いでしょう。開けたポイントもあるけれども木の枝や灌木が被さるよさそうなポイントも点在するような渓相におすすめです。提灯仕掛け同様に竿を伸び縮みさせての繰り返しですので、くれぐれも伸び縮みの際は順番が狂わぬように注意してください。

本流の仕掛け

多くの本流師は一本通しの仕掛けを使用しています。これは狙う魚が大物ということにも由来します。糸はつなぎ目、つまり結び目がないほど強くなり、また長くなるほど強さを発揮します。例えば同じ糸でも2mと4mでは両端を引っ張ったとき2mの方が先に切れます。糸についてはまた別の機会に書くとして、とにかく、8mの本流竿であれば8.2m~8.5ⅿ位の長さにします。狙うポイントや魚の大きさ、その方の腕にもよりますが私の知る名人では手尻を70㎝出す方もいたほどです。穂先に糸を結んだらそのまま伸ばして次にハリを結びます。狙いが大物ということでなければコストを考えて天上糸を3m+水中糸を5mなど天井糸を入れて水中糸のコストを下げるのも良いと思います。

源流の仕掛け

私がここで言う源流は沢のような小規模な源流ではなく、ある程度の水量がある規模の大きな源流を言います。渓流仕掛けの中でも源流の場合は太い仕掛けが中心です。私の場合は0.8~1.2号です。これは出かける源流がどれくらいまでの大イワナが掛かるかを想定して決めています。0.8号で40㎝前後、時に50㎝を超えるような可能性がある場所では1.2号です。ここで問題なのがメーカーの発売する渓流竿、源流竿は適合ハリス0.8号や太くて1号ということです。ですから太いハリスを使用する場合は自己責任ということです。使用方法を間違えると竿を破損させることになりますので注意が必要です。

まとめ

いかがでしたか、簡単に説明してきましたが渓流の仕掛けは一言では語れず、そのシチュエーションに合わせてかなり違います。大切なのは自分が竿を出す場所と魚にあったベストな仕掛けを自分で選択できることです。それができれば釣果にもつながると思います。ぜひ挑戦してみてください。