南アルプス 極上!渓の尺アマゴ

7月18日~21日、渓で3泊4日の釣行です。前日まで断続的に強い雨が降り続いたせいでかなりの増水です。こりゃダメかな、と言った雰囲気でしたが、リーダーの大ちゃんはいけるところまで行って見ましょう!ということで出発しました。車止めでは谷底から轟々とした水の音が響くなかの出発です。メンバーは白頭巾の大ちゃん、船迫さん、私の3人。平水よりも50㎝は高い中、頑張って行った甲斐がある釣行となりました。パーマークがしっかりと出た渓の幅広尺アマゴ!最高の魚に出会えました!

普通は行かない平水より50㎝高

林道から谷へ下って行く。長く降った雨のため地面は湿った感じかと思っていたが以外と乾いていた。それでもヒルの多いエリアだけに10分に一度は足元をチェックする。くっついたヒルを落としながらてくてく歩く。渓へ近づくにつれてごうごうと流れる音が迫力を増してくる。平水よりは50㎝ほど高いだけあって不安を煽るような音だ。普通の人はこの水高では絶対入らない、というより入れない渓。大ちゃんが引っ張ってくれるからこそチャレンジできる釣行だ。

水が多くて初日は遡行断念

渓はやはりすごい水量だった。降り立ったところからいきなりスクラム徒渉を強いられる。大ちゃんはさらっと渡ってしまう流れだが、小柄な私と船迫さんはスクラムを組んでやっとだ。少し上流の様子を見て一日目の遡行は断念せざるを得なかった。幸いテン場敵地が近くにありそこへタープを張ってたっぷりある時間を楽しむことにする。

テン場の前でいきなり尺アマゴ

と言うことでタープ(ブルーシート)を張ったらとりあえず釣りです。濁りが入っているためとりあえずエサ釣りでやってみることに。すると増水後の引き水だけあって一投目から連発です。そして3匹目に掛かった魚が強い引きを見せます。ここまで来た甲斐があったと思わせる極上尺アマゴを手にすることができました。パーマークがしっかりと出ていて、幅広のボディ、しっかりとしたヒレ、ずっとこんな尺アマゴを手にしたいと思っていました。記憶に残る1尾となりました。

初日を終えて乾杯

時間はたっぷりとあるのでとりあえず飲むしかありませんね!源流釣行でのたのしみは、釣りはもちろん焚火や料理、宴会です。気の合う仲間との釣行ならではで話も弾みます。

2日目朝は謎の濁り

二日目、流れは謎の濁りとなっていました。雨も降っていませんし、上流部もおそらく振ってないはずです。なのに強い濁りが入ってました。想像できるのは上流部での崩落などによる濁りです。そうであればしばらくすると澄んでくるはずです。

濁りがとれるのを待って遡行開始

濁りがとれてきたので遡行を開始です。ただ遡行を開始するやいなやハードな渡渉の繰り返しとなりました。テープで引っ張ってもらったりザックをピストンしたりと時間が掛かります。

難所を抜けて竿を出す

いくつかの難所を超えて竿を出します。数がでる釣りではなく、釣れると良型と言った状況です。水量が平水になればポイントも絞りやすくアマゴが着きやすい流れも増えると思います。全体的に流れが強く早い状況でした。

濁りがとれてテンカラでもいいアマゴが出始める

濁りがとれて初日に比べると毛鉤でも釣りになる状況となりました。大ちゃんの手が大きいためアマゴが小さく見えがちですが、9寸を楽に超えるアマゴです。こんなサイズが普通に出てしまう、素晴らしい渓です。

2日目も尺アマゴが竿を絞る

ザックを背負いながらの釣りはホントに肩がこるのですが、こんな尺アマゴが出るとまったく気にならなくなります。二日目も最高の魚に出会えました。

ルアーはなぜかいまひとつ

この日は船迫さんがルアーで頑張ってましたがいまひとつ。追いきれない、活性がいまひとつと言った状況でした。結構テンカラやエサのあとでもルアーは遠くからでも大きい魚を引き寄せる強さがあるのですが、やはり日並もありますね。

2日目も無事テン場に到着、夕方にはまた濁りが

二日目、本来は初日に到着する予定だったテン場に到着しました。水量がものすごい中なんとか到着できたのは大ちゃんのおかげです。引っ張ってくれる仲間がいてくれてホント良かったです。テン場に到着と後、少し釣りをしたらまた濁りが入ってしまいました。おそらく上流部での崩落が続いているようです。とにかく遡行中に濁らなくてよかったです。

3日目は3人ともテンカラで攻める

船迫さんもルアーからテンカラ竿に切り替えて良型アマゴを手にしてました。8寸~9寸サイズは普通に掛かるので目が慣れてしまいヘンな感じです。私は沈めて、二人は浮かせてのテンカラですが、どちらでも掛かります。ただ、数がでると言うよりは出れば型が良いといった状況は初日から変わりませんでした。

何度か流して口を使ったアマゴ

少し早い流れ、水深は50㎝くらいはあるかな、ここには着いていそうだなと思って流します。するとゆっくりと浮いてきて毛鉤を見て沈みました。毛鉤に飛びつくという出方はしないアマゴです。少し上流から流し、先ほどより沈める時間を作ります。対岸の大石の影響でちょっと複雑な流れが影響し、うまく沈め気味に入る時と入らない時があります。数投目、うまく流れに入ってゆっくりと流れる毛鉤に先ほどのアマゴが口を使いました。狙い通りに釣れると楽しいですよね。

反転流に浮いていた尺アマゴ

こんどは大岩の後ろからそっとポイントを見ようと顔をだすと真下の反転流にアマゴが着いています。こちらを向いている状況ですが、大岩の上からそっと顔を出したので気づかれていません。ポイントが近すぎて振りづらいポジションですが、毛鉤とハリスの少しが着水するくらいで流れに乗せます。するとアマゴは毛鉤に反応して食いにきますがドラグが掛かって喰いそびれてしまいます。今度はドラグが掛からないように気を付けて流すと、こちらに大きな口を開けて毛鉤を咥えました。3日目はうれしいテンカラで尺アマゴです!

この日一番の尺アマゴは大ちゃんが手に

私が一つ上流のポイントにいると、下流から大ちゃんが手招きしています。大岩の上から下の流れをみると大きいアマゴが着いていました。思わずブローバックして体を隠してしまいました。「下流から流したけど何の反応もなく、居そうなんだけどおかしいなぁと上から見たらやっぱり居た」そうです。大ちゃんがアマゴに向かって流れるように毛鉤を落とすと一発で喰いました。この日一番の34㎝の立派なオスアマゴでした!ここで思ったのは口を使う流れの幅が非常に狭いと言うこと。結局大きく横に移動して喰うことはしないのでしょう。

エサ釣りのタックル紹介、シマノ翠弧H61

今回エサ釣りで使用したのはシマノのフラッグシップモデルの渓流竿「翠弧H61]です。本調子で大きく曲がりための効く竿なので今回の尺アマゴも余裕を持ってやり取りができました。綺麗な弧を描く竿で、それでいて操作性や感度は最高レベルのスペックをもっている竿です。ラインは0.8号フロロカーボンの通し仕掛け6.3m、目印はプロ目印を三カ所、ヤマワのゴム張りガン玉を使用、ハリはがまかつの渓流鈎7~8号です。エサはミミズを使用です。

テンカラのタックル紹介、天平テンカラ36

テンカラはフロロカーボンのレベルライン2.5号4mにフロロカーボンハリス0.8号1.3mです。少しハリスを長めにとっていますが、これはスレたアマゴ対策でレベルラインまでの距離を少し広く開けたいためです。

テンカラ毛鉤「10colors甲斐胴黒虎花笠#12」を一工夫

毛鉤は10colorsの甲斐胴黒虎花笠#12です。今回はこの蓑毛を少し手でむしって少なくしています。これもこの近辺のアマゴ対策です。ボリュームのある蓑毛より食いが良くなる傾向にあります。というのも大井川水系でアマゴ狙いの時はあまりボリュームのある毛鉤を使う人が居ません。おそらくシンプルなものやスマートなシルエットの方が食いが良いのかと思われます。やはり毛鉤は地域性があるとは思います。ただボリュームがあって絶対釣れないかというとそうでない魚がいる、だから釣りはおもしろいのかもしれませんね。

3泊4日の沢旅、お疲れ様でした!

3泊4日の沢旅もあっという間に終わってしまいました。終わってみれば釣りをした3日間、すべて極上の尺アマゴを手にすることができたのですから最高の釣りでした。今回釣れた大きい個体はすべてリリースしました。大きくなる遺伝子を持った魚が子孫を残してくれるとこの先の釣りも楽しめますから。もちろん適当なサイズのイワナとアマゴを数匹は美味しく頂きました。山に入った時は大切な食材であり、楽しみでもあります。大井川水系の極上尺アマゴ、なかなか一人では来れませんがまた会いに行きたいと思う魚でした。