渓流釣り餌箱の選び方

渓流釣りのお客様を長年接客してきた私はエサで失敗してしまう方をたくさん見てきました。いいエサは釣果を左右します。ここでは釣りのスタイルやエサの種類に応じてどんなエサ箱を選べば良いかを説明していきます。良いエサを使ってヤマメやイワナ釣りを楽しみましょう。

以外と多いエサ箱の種類

渓流用エサ箱の素材と種類

渓流釣りで使われるエサ箱は樹脂製の物や竹、木製など色々と発売されています。なかでも一番多く出回っているのがポリプロピレンなどの樹脂製です。樹脂製のメリットはやはり安価なところでしょう。趣があり熱の影響を受けにくい竹製や木製の物は近年減りつつあります。竹製などは中国製で安価なものもまだ見受けられますが木製の物で渓流専用のものはほとんど見かけなくなりました。小さな工房や手作りで作られる方が増えているのは手に入らなくなったことも関係しています。このほか熱の影響が少ない2層構造のエサ箱も発売されています。

保冷・断熱タイプ

保冷・断熱タイプのエサ箱は壁面に空気層を設けて熱を伝わりにくくしているものや発砲スチロールなどを壁面に入れ、小さなクーラー的なものなどがあります。中には蓋の内側に保冷剤が入るタイプなども発売されています。保冷タイプをうまく使用することで解禁当初の寒さや真夏暑さからエサを守ることができます。

ベルト用タイプ

エサ箱の大半の種類がベルトに装着するタイプとなります。作りがシンプルで安価に生産できるものも多いため色々なメーカーが発売しています。メリットはもちろん安価なことと軽い事、また大きさも様々で中が仕切りで分けられている物などもあります。ベルトに付けるタイプはエサが重過ぎると傾きが大きく使いにくさもでます。腰まで浸かるようなポイントや遡行は水没してしまいますので注意が必要です。またエサの種類が多い時などには首掛けタイプと併用するのも手となります。

首掛けタイプ

首掛けタイプはベルトに装着するタイプより種類が極端に減ります。ベルトタイプに比べると大きいものがほとんどです。また保冷タイプが多いのも特徴です。別の種類のエサを入れられるよう小さなトレーがついていたり蓋の上に小物ケースが装着できるタイプなども発売されています。ベルトタイプに比べ価格はやや高めの物がほとんどです。また竹製や木製なども首掛けタイプが多くあります、素材の形状や作りやすさなどから紐でぶらさげるタイプが増えたと考えられます。首掛けタイプはエサの容量も多くなり、保冷タイプや手作りの物も多いことからベテランの渓流師に多く使われています。

エサの種類に合わせたエサ箱を選ぼう

川虫やミミズ

川虫やミミズなどの虫エサは温度管理に気を付けなければなりません。解禁当初は気温も低くエサが凍ってしまうこともあります。また5月下旬になると今度は暑さからエサを守らなければなりません。寒さや暑さに強いのは保冷タイプのエサ箱です。保冷とありますが、解禁当初は保温の役目をはたしています。木製のエサ箱は断熱効果がありますので虫エサには向いています。また竹を編んで作られているエサ箱やエサカゴは夏の暑さから川虫の活きを保ってくれます。竹カゴのタイプは休憩時に水に浸けておくこともできます。しかし、保冷タイプや木製、竹製を使ったとしても厳しい寒さや直射日光が当たり続けるような状況下ではこまめにチェックをしましょう。断熱性のないベルトタイプなどではさらにエサの状況に気を付けなければなりません。

川虫を長生きさせる裏技を紹介

ここでちょっと裏技を公開します。市販のミミズを購入すると何やら土の代わりに白っぽいものや灰色っぽいものが入っていますよね。これチップって呼ばれています。ミミズの養殖は大変難しいとされ、このチップが悪いとミミズはすぐに死んでしまいます。このチップ、捨てていませんか?実はこのチップは川虫を保管するのに優れているのです。適度な湿り気があり、温度さえ気を付ければかなり長い時間川虫が生きています。首掛けタイプにミミズをこのチップごといれておき、川虫も一緒に入れてしまいます。ミミズを使い切っても捨てずにそのまま川虫用にすると便利です。ただ販売時から水分が多すぎてベチャベチャ状態のものは使えませんし、まれに本物の土を使用しているものも使えません。また水に浸かってしまったものも使えませんので注意してください。あくまで販売時の状態の物を使用してください。

イクラや切り身

イクラは放流魚や低水温で活性の低いヤマメ、イワナを狙う際などによく使われます。また放流の大型ニジマスではマグロのぶつ切りを使用したり、サケ釣りではサンマの切り身などを使用します。イクラや魚の切り身は生き餌ではありませんから常温でも問題ありません。釣り具店で販売されているイクラは腐らないように加工されていますから常温でもある程度は日持ちします。切り身は熱でダレたり腐ってしまいますからあまり暑くならない程度に管理できれば良いでしょう。保冷タイプの方が温度管理が簡単ですがベルトタイプでも問題ありません。虫エサと併用する場合は保冷タイプに虫エサを入れ、ベルトタイプにイクラを入れて分けたりしましょう。

ブドウ虫

ブドウ虫は渓流釣りでは定番のエサですが、天然物を除きほとんどがプラスチックのケースに入った状態で販売されています。このケース自体がエサ箱になってしまいますので、わざわざエサ箱に移す必要もありません。また余ってしまったブドウ虫は冷蔵庫の野菜室などで保管しておくと、数日から数週間日持ちしますので次回の釣行にも使用できます。解禁当初は凍らないようにベストのポケットに入れておくなどします。夏の暑さには比較的強い虫ですのでケースにカン(輪)がついていればストラップなどで首からぶら下げて持ち運ぶのも良いでしょう。

季節に合わせたエサ箱を使おう

解禁当初のエサ箱の選び方

解禁当初はまず生きエサを凍らせないことが一番です、川虫も流れのなかでは生きていますがエサ箱の中だと凍ってしまいます。天気予報を確認し、気温が氷点下になるようでしたら保冷・断熱タイプのエサ箱がおすすめです。保冷剤を入れるスペースがあるタイプではミニタイプのカイロを入れておくこともできます。ブドウ虫もベストのポケットにカイロと一緒に入れておくと良いでしょう。

初夏からのエサ箱の選び方

初夏を迎えると一気に気温が上がります。当然エサ箱の温度も上がってしまいます。朝夕のマヅメ時だけなど涼しい時間だけでしたら、エサ箱の種類はなんでも良いと思います。問題は日中です。里川や本流域では特に熱くなりますのでエサは必要分だけを持ち歩き、予備はクーラーボックスで保管するようにします。そしてエサ箱はもちろん保冷のできるタイプです。それでも厳しいときは木製や竹製のエサ箱です。ベテランの方、特に本流で釣るかたなどは木製や竹製を愛用しているのはかっこが良いだけでなく暑さにも強いからなのです。

まとめ

色々なエサ箱がありますが、短時間での釣りならばベルトタイプなど安価な物で良いと思います。ブドウ虫をポケットにいれ、ミミズやイクラなどはベルトタイプに入れて釣るスタイルでよいでしょう。より本格的に一日を通して釣りをし、長いシーズンを楽しむ方には首からぶら下げる保冷・断熱タイプを使用がおすすめです。それにミミズや川虫を入れ、イクラなどを追加するときは木製・竹製の首掛けタイプやベルトタイプを併用すると良いでしょう。下記におすすめのエサ箱を二つ上げておきますので参考にしてください。

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シマノは内側にステン素材を使用しています。ウェアーがシマノメインの方におすすめです。また少し小さ目ですから、同時に竹製のエサ箱などをぶらさげる時に便利です。使ってみるとわかりますが、片手で開けやすいので便利ですよ

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ダイワは容量が大きく太目の得用ミミズのパックがそのまま入ります。ダイワウェアーで揃えている方にもおすすめです。